の絵を描いていて一番てこずるのは、
ネコの目である。
猫のいる絵を描きはじめて二十年以上になるが、
カアーッと目を見開いた猫の絵は少ない。
いい目を描けないのである。
そのせいでぼくの描く猫は眠ってばかりいる。
ただ眠っているのではない。
目を細めて人間には見えない何処か遠くの風景を
見つめているのだと説明したことがある。
とにかくぼくは、ネコのあの目に惹きこまれるのだ。
あのいいようもない優しさと、
その吸いこまれるような暗さに魅せられるのだ。

山城隆一

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